転職屋が教える「結婚するためのたった2つの方法」

国立社会保障・人口問題研究所が発表している、「職縁結婚の盛衰と未婚化の進展」の内容が興味深い。

「まとめ」の部分から骨子を抜粋。


その結果、1970 年代以降の初婚率の低下は、 ほぼ5 割が見合い結婚の減少によって、そして4 割近くが職縁結婚の減少によって説明できることが示された。

その他の出会い、すなわち、学縁結婚や友縁結婚、趣味を通じたものや街中での出会いといった結婚の発生確率は、この40年間ほとんど変わっていない。<中略>

恋愛結婚が主流と言われるものの、配偶者との出会いは完全に自由なものではなく、 「出会いの場」がシステムによって提供されていた側面もあったということであろう。

システムが崩壊してしまったから、(僕に代表されるような)非モテな人は頑張らないと結婚できませんよということを国が説明してくださっている。

僕のような、人材と企業のマッチングを生業としている立場から見ると、結婚と就職(転職)はうり二つに見える。

それは、人間そのものを対象とした「マーケット」であること。

だから、転職屋さんとして築いてきた理論が、そのまま結婚にも当てはまるということに最近気づいた。


マーケットの本質の一つに、「格差拡大のメカニズム」があることを忘れてはならない。

恋愛も就職(転職)も、マーケット(市場)の自由意志に委ねれば委ねるほど成約率は下落し、果実を享受できる者とできない者の格差は開く一方なのだ。

無限の欲望という人間の性が極めて合理的かつ極端な形で現れ、単純な需給関係によって市場価値が決まるのがマーケットなのである。


転職で言えば、35歳を過ぎるとホワイトカラーの求人数は1/100に激減すると言われている。

あなたがいい人かどうか、信頼が厚い人かどうかなんて関係ない。

マーケットは、あなたに気を遣ってくれやしない。

あなたが35歳を過ぎているというたった一つの事実が、市場価値を暴落させる。

30歳を過ぎて初めて転職活動を経験し、マーケットの厳しさを痛感した知人も少なくない。


恋愛で言えば、男性は若くてかわいい女性に、女性は年収が高くてかっこいい男性に殺到する。

クラスの80%の生徒が特定の一人を好きになるという、小学校時代に誰もが経験したあの現象は、人間の本質がピュアな形で露呈したに過ぎない。

30歳の女性は20歳に比べて市場価値が低く、年収が低い男は高い男に比べて市場価値が低い。

大人はこういう本音を表立って口に出さないが、マーケットは冷徹なぐらい正直に、本音をあなたに突きつける。


システムによる出会いの提供機会が減った今、それでも結婚をしたいならば、どのような対策を考えれば良いだろうか。

マーケットの上位に位置する人間ならば、今まで通り自由恋愛マーケットで十分相手を見つけることが可能だから、今回は対象としない。

もしそうでない人には、選択肢は2つしかない。

(1)今まで出会ってきた人の中から結婚相手を決める
(2)結婚マーケットに進出し、出会いの機会を最大化する

以上、2つだけ。

「いつか理想の相手と出会うことを夢見ながら自分磨きをする」

というのは、自分で確率をコントロールできないからお勧めできない。


いずれの選択をするにせよ、年齢の進行と共に結婚できる確率は減ってくるわけだから、期限を決めることが大切だ。

そして確率論から言えば、(1)が最も成約率の高い方法だと思う。

なぜならば、あなたが出会ってきた人は、あなたの生き方を映す鏡だからだ。

環境、考え方、生き方、バックボーンなど、近しい人が多いから、出会いを外部に求めることに比べると、親和性は極めて高いはずである。

私の知り合いの話をしよう。

彼は、某企業の社長をしているのだが、仕事があまりに忙しく、女性と食事に行く機会は何年もなかった。

ある時「彼女を作ろう」と思い立った彼は、過去1年間にメールのやりとりをした全ての女性をエクセルにリスト化し、順番に会うことに決めた。

そして、7、8人ほど会った頃。

その人の特集が掲載された某雑誌をたまたま見た、昔の彼女が連絡をしてきて、お付き合いを再開。

やがて結婚に至った。

プランを伴って行動していたから、付き合い直すという決断も早かったようだ。

今では子供もできて、とても幸せそうな毎日を送っている。


(2)を選ぶなら、それなりの覚悟と準備をしなければならない。

「マーケットは常に本音で厳しい結果を突きつける」

ということを、肝に銘じる必要がある。

友達に合コンをお願いする、お見合いに行く、出会い系サイトに登録する、結婚紹介サービスに申し込むなど、方法はいくつかある。

マーケットはあなたに気を遣ってくれやしないのだから、あなたも恥じらったり躊躇している暇はない。

「駄目なら次」と気持ちを切り替えて、どんどん行動あるのみ。

へこんでいては駄目だ。

女性で特に注意して欲しいのは、オフラインではあまりモテなくても、出会い系サイトのようなオンラインマーケットに進出すると、突如としてモテまくるようになる。

「モテマーケット」にいると、選択肢が無限にあるような錯覚を覚え、「もっといい男と出会えるに違いない」という無限の欲望が顔を覗き、決断できなくなる可能性が高い。
(ソースは某出会い系サイトの運営者から聞いた話。)

期限を決め、出会った中で一番マッチングする人に決めて欲しい。


さて。


「そもそも、そこまでして何故結婚しなくてはならないのか?」


もしそう感じたなら、とても良い質問だ。

人生、結婚ありきではない。

結婚しない人生もまた、素晴らしい人生である。

このことをしっかりと見つめておくべきだ。

僕の理論は、実は「結婚しない可能性」について子細に検討し、下限リスクを把握することが、最大のポイントなのである。

不幸な転職をする人の多くは、下限リスクを想定してきちんとヘッジすることを考えず、「転職ありき」で決めてしまっているのだ。

結婚もまた、同様であろう。

あさましいなどと思わず、結婚するメリット、デメリットを比較・分析(ビジネスでよく言われるpros/cons分析)しておくと良い。

戦略的な転職活動をしている人は必ず実行しているわけで、結婚活動に応用すれば、極めて威力を発揮するはずだ。


とまぁ、いろいろ書いてはみたものの、結婚も転職も相手があって初めて成り立つもので。

あまり左脳で考えすぎるといっそう結婚が遠のくから、最後はフィーリングで決めると良いのでしょう。

偉そうに書いておきながら、僕には彼女すらいないという現実が、何よりもそれを物語っているのです。

おしまい。

男性は結婚すべきではない

男性は結婚すべきではない

2ちゃんねるの「就職板」でそんな話題が盛り上がっている。

■「男性は結婚すべきではない」まとめwiki

キャッチコピーが、議論の論旨の全てを言い表していて、お見事。

「結婚したら1億5千万円の無駄。 SEX相手も一人の老ける女に拘束される。妻要らず平成時代・・・!」

莫大なお金がかかる上に、他の女とSEXもできなくなるのに、何で結婚するの?

主張の是非はともかくとして、これって案外、男の本音なのかなと思う。

男同士の居酒屋トークがこうまであからさまになるのは、実にネットっぽい。

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最近、大学時代の男友達と飲む機会が立て続けにあった。

そこで、面白いことに気づいた。

30歳前後の男が6人集まると、だいたいそのうち2人は結婚していて、4人は彼女がいない。

サンプルが偏っていることは否めないが、感覚的にはそれぐらいの割合。

1.彼女がいない
2.彼女はいるが、結婚は考えていない
3.彼女がいて、結婚を考えている
4.結婚している

1か4か、いずれかに綺麗に分かれている。
3については、もう少し周囲を見渡せばいることはいるが、サンプルがとても少ない。
2に至っては、30歳以上で限定して考えれば、うーんとうなってしまうぐらい思い浮かばない。

友人の名誉のために言っておくと、それなりに学もあって、それなりの会社に勤めていて、人間的にもいい奴らだ。

結婚に興味がないかと言えばそんなこともなく、結婚の話題は必ず俎上にのぼる。

では、結婚に強い情熱や欲求を持っているかと言えば、実際はそれほどでもないというのが本音だと感じられる。

既に結婚をした友達が話題を提供し、「なるほど、結婚楽しそうだね。僕もそろそろ・・・。」という程度で話は止まる。

どこか現実感に乏しく、自分事ではないといった風情で、仕事の話題に比べると盛り上がらない。

理由は単純で、結婚に対して必要性を感じていないからだろう。

それは、効率や投資対効果を追求する資本主義の生み出した産物であり、自由恋愛主義の行き過ぎがもたらした一種の罰のようなものではないか。

2ちゃんねるのスレッドのように、経済合理性の観点や、性的欲望を犠牲にしたくないというシンプルな主張をする人は滅多にいないが、実はひっそりと、30男の脳裏に根を張っているのかもしれない。

手に入れすぎた罰、知りすぎた罪。

そのようなことを感じる今日この頃。

結婚したい女性にとっては、受難の時代を迎えるのだろうか。